前回、学術会議の原稿(「日本学術会議、いっそ改組されたら?」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62372)には多くの反響をいただきました。
マスコミからの取材要請もありましたが、すべてお断りさせていただきました。秋のシーズン、大学は研究も教育も本来は佳境で大変忙しく、割ける時間もないのが一点。
また、興味本位のマスコミの煽るような取り上げ方は、落ち着いた大学の日常からは迷惑でしかないので、シャットダウンしたというのが正直なところでもあります。
しかし、ネットを含め様々なお声を寄せていただきましたので、いくつか補足でお答えとともにお送りしたいと思います。
大学内で実際に起きていること
まず最初に、私は慣れっこになってしまっていて感覚が半ば麻痺していたのですが、19年来大学の中で固有面積が一平米もない、という状況に「ご苦労されたのですね」と予想を超えて多数の激励をお寄せいただきました。
私一人の時は、捨象して仕事に精励するのみなのですが、学生たちを含めたアカデミック・ハラスメントになっているので、話が違います。
これは公式に救済要請を出しているので、ここにはミニマムを記します。
2001年、小宮山工学部長の時期に東京大学本郷キャンパス、工学部2号館の大規模な改修工事が始まり、その建物にアサインされていた私の研究室の面積は、耐震補強工事などの折に一時的に避難する全学共有面積に移動。
それ以降19年間、正規面積に戻ることができていません。現在研究室があるのもそういう「一時避難所」で、地下と1階には「保健センター」もあります。
そういう場所に「発熱外来」が設けられました。
うちの学生たちは、自分たちの研究室に行くために必ず通らねばならないエントランスで、こういう看板に直面します。