(北村 淳:軍事社会学者)
中国共産党政府の行政機関である交通運輸部に所属する海上保安機関「中国海事局」の巡視船「海巡09」が、9月29日に進水した。
海巡09の満載排水量は1万3000トン、全長は165メートル。法執行船としては、中国の沿岸警備隊である「中国海警局」の1万2000トン級巡視船「海警2901」「海警3901」と並ぶ超大型巡視船である。
ただし、第2海軍として位置づけられている中国海警局の海警2901、海警3901には76mm速射砲、37mm連装機関砲2基をはじめとする重武装が施されている上、2機の艦載ヘリコプターに対応した運用設備も設置されているため、満載排水量は1万5000トンである。一方、中国海事局が運用する法執行船である海巡09には、海警局巡視船のような武装が施されていないので、満載排水量は1万3000トンと海警2901および海警3901を若干下回る。
とはいえ、満載排水量1万3000トンの海巡09は世界最大級の法執行船ということになる。