コロナ禍中でも北朝鮮は核ミサイルの開発に余念がない

 北朝鮮(以後、北)は、2017年9月、6回目の核実験に成功した。この6日後の建国69年の記念日に、「わが国は水爆やICBMまで保有した核強国だ」と、言い放った。

 北は翌年の4月、国家核武力が完成したとして、今後、経済発展にも集中する方針を挙げた。

 2018年6月の米朝首脳会談で非核化の意思を表明したが、2019年2月の2回目の米朝会談(ベトナム)では、いかなる合意も得られなかった。

 2019年12月末、米国の対北敵視が撤回されるまで、戦略兵器の開発を継続することを表明した。

 2020年7月28日、全国老兵大会で金正恩党委員長が、「われわれは核保有国へと自らの発展の道を歩んできた」と、北が核保有国であることを改めて強調した。

 現在、米朝交渉が進展せずに、国連経済制裁は継続されている。

 北は、抜け穴となっている中国からの貿易と支援によって、困窮してはいるものの、核開発を停止するどころか、着々と進めている。

 日本を含む世界が新型コロナウイルス感染症による国家的な危機に直面している最中にも、北は、核兵器を増強し、ミサイルへの搭載を可能とした。

 防衛省は、白書2020版(7月発刊)の中で、「ミサイルに搭載するために核兵器の小型化・弾頭化をすでに実現しているとみられる」と評価している。

 米朝合意が進展しないかぎり、北は、核実験こそ実施していないものの、米国を刺激しない範囲で、核・ミサイルの開発を着々と進めている。

 そこで、北が核開発状況をどのように進めているのかについて分析する。