毛沢東と同じ82歳まで政権を握り続ける腹積もりか

 次に②で、「2035年の長期目標」を言及したのは、「2035年までの習近平長期政権」に向けて、いよいよ本格始動したと見るべきではなかろうか。習総書記は、2013年に自らの政権を発足させ、権力基盤を固めた頃から、発言に「2035年」が混じるようになった。何でも毛沢東元主席をマネようとする習総書記は、毛沢東元主席が死んだ82歳に自分がなる2035年までの長期政権を目指している――これが私の解釈である。

 今回、満を持して、これを前面に出してきたのだ。それは、来年7月が中国共産党創建100周年、2022年秋が総書記の任期が切れる第20回中国共産党大会という日程から来るものだろう。③の「最初の100年」「第二の100年」という言い方にも、「重要な節目だからいま自分が引退するわけにいかない」という習総書記のホンネが垣間見える。

 ④、⑤、⑥もその文脈で捉えられる。⑤の貧困撲滅は、今年中に達成し、「中国史4000年の歴代の皇帝・王たちが誰も成し遂げられなかった貧困撲滅を成し遂げた」と誇る。そしてそのことを、半永久政権の正統性にしようというわけだ。

 ⑦で「持久戦」という言葉を使っているのも、多分に毛沢東元主席の「持久戦論」を意識している。1938年5月から6月にかけて、毛沢東元主席は、前年から始まった抗日戦争に関して、撤退、育成、反撃という持久戦論を説いた。同様に、現在の「抗美戦争」(対アメリカ戦)も、毛沢東式の持久戦で臨もうということだ。

 さらに言うと、同じくプーチン大統領が2036年までの長期政権を目論んでいるロシアとの連携を、今後ますます強めていくのではないか。習近平総書記はプーチン大統領と「2カ月に一度の首脳会談」を約束し合っている仲だが、コロナ禍の中でも、このペースで電話会談を行っている。

 いずれにしても習近平総書記は、「アメリカとの新冷戦が始まったからこそ長期政権を敷く」という世論に持っていこうとしているように思える。