(3)ビデオ会議は映像をオンに

 テレワークでは、チャット以外にもWeb経由の映像と音声で会話を行う「ビデオ会議」によるコミュニケーションが欠かせない。映像や音声をオフにして参加できるが、できる限りオンにして、お互いの表情を確認しながら会話するようにしよう。

 チャットよりも一体感やチームワークを感じながら、コミュニケーションを取ることができる。また、お互いの体調やメンタルヘルスを確認できるというメリットもある。

(4)見えないからこそ、進捗状況の共有と予定表をこまめにチェック

 テレワーク時は、姿が見えないという不安も付きまとう。だからこそ、自分の業務内容をこまめに上司や部署内に共有することで、お互い安心感を持った状態で仕事を進めることができるだろう。また、誰かに相談したい際は、チャットに書き込む前に相手の予定表をオンラインで確認しよう。相手が会議中や作業中の場合は、空いている時間を確認し、その時間に聞くようにすれば、ストレスを感じることなく短時間で答えを得られる。

 そして、自分自身の予定をオンライン上の予定表にすべて書き込んでおくことも忘れてはいけない。一人で作業している時間でも、何も予定を入れないでいると、会議や打ち合わせの予定が入り、業務効率の低下を招く可能性もある。

(5)雑談も大事なコミュニケーション

 テレワークでは自宅の居心地の良い場所で仕事ができ、電話もかかってこないので、オフィスで仕事をするよりも効率が上がる場合も多い。夕方に振り返ってみると、自分でも驚くほどの量の仕事をこなしていたということもあるだろう。効率が上がることは良いことだが、業務に長い時間集中することには気をつけた方が良い。

 同じ姿勢でディスプレイを見ながら手を動かし続けていると、肩や腰に大きな負担がかかる。集中している間は気にならないが、仕事が終わったときにどっと疲れを感じるはずだ。そして、そのような状態が続くと、ストレスが溜まり、体調に異変をきたすこともある。テレワークに慣れてきたら、1時間ごとに休憩を取るなど、働き過ぎに注意した方がよい。

 テレワークは体だけでなく、孤独での仕事を強いられるため精神的な負担がかかる場合も多い。隣に同僚がいないため、社員同士の会話も、出社時と比べて減少していることは想像に難くない。心の不安を取り除くためにも、少し時間を見つけ、同僚とチャットやビデオ会議で意図的に雑談することも、テレワーク時のコミュニケーションのポイントと言える。

 冒頭で述べたように、新型コロナウイルスの感染拡大が終息したとしても、テレワークを基本的な働き方とする企業は少なくないだろう。オフィスには週1回、あるいは月に数回顔を出すだけという形になる可能性もある。中には、テレワークを「コロナウイルスが終息するまでの間に合わせ」と考えている企業もいるかもしれない。しかし、テレワークには業務効率の向上やコスト削減など様々なメリットもある。テレワークにはコミュニケーションにおける課題もあるが、今回紹介した相手に配慮した行動を取ることで、円滑にコミュニケーションを図れ、テレワークならではの生産性の高い仕事を実現できるだろう。

著者プロフィール

HRプロ編集部

採用、教育・研修、労務、人事戦略などにおける人事トレンドを発信中。押さえておきたい基本知識から、最新ニュース、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届けします。