新型コロナで不安を煽ったにわか専門家

 厚生労働省の専門家会議など、責任ある公的機関が出す情報が最も重要だ。ただ、政府が責任をもって発信する情報であるがゆえに、さまざまな配慮がなされるのか、どうしても歯切れの悪い表現が多く、国民としてはそれを聞いてさらに不安が募ることもある。

 そのせいかどうか、巷では、多数の専門家(自称専門家も含めて)が地下から湧いてきたかのごとく、テレビで解説しネットで発信する。彼らが発信する情報が政府からの情報を補完し、国民の不安を少しでも解消してくれるのであればよいのだが、現実はそれらの専門家が、政府と異なる見解を披瀝したり、政府の対策を批判し、あるいはお互いに批判し合っていることも珍しくない。

 PCR検査をもっと増やすべきだ、なぜ他国と比べて日本は少ないのか、政府のクラスターを潰すというやり方はでは感染爆発を防げない、政府や都道府県が発表する感染者数には公的な検査でわかった数しかカウントされていない、実際には感染はもっと広がっているはずだ──等々と批判する。

 このような専門家の異なる見解を聞かされるだけでも、一般人は一層不安に陥ってしまう。それに加えて、とても専門家とはいえないテレビのコメンテーターや評論家といわれる自称知識人の類までもがこの議論に参入し、実効再生産数の計算の仕方がおかしい、検査されていない人の間にもっと感染者がいるはずだなど、素人の私が読んでも、この人は統計学の初歩を知らないなと思うような発言を平気でしている。

 この事態に黙っていられず、まじめに勉強して思いを述べている人もいるが、中には不安を除くために、否、不安を煽って注目を集めるために、このような発言をしているのではないかと思われるような、にわか専門家も少なからずいる。