新型コロナウイルス感染症の広がりで、日本は決して「奇跡」と呼ばれるような状態ではない

 政府は7月以降、日本の「鎖国」解除、正確には入国制限緩和を「ベトナム・タイ・オーストラリア・ニュージーランド」から始める方針を発表(https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200531-OYT1T50078/)しました。

 なぜか?

 それに答える前に、20世紀末年に流行った「モーニング娘。」のヒット曲に「LOVEマシーン」というミリオンセラーを考えてみます。

「日本の未来は(Wow, wow, Wow, wow) 世界がうらやむ(Yeah, yeah, yeah, yeah)」

 という歌詞がウケました。が当時も経済は相当微妙でしたし、21世紀に入ってから日本経済の「未来」がどんなことになったかは、読者もよくご存じの通りです。

 言ってみれば、不況時の心理に、ないものねだり的に受けた「世界がうらやむ日本の未来」。

 あれから20年が経過した今も「日本の奇跡」といった言葉が一過性の留飲を下げているのを雑誌の表紙などで見かけますが、同じ病気を引きずっている様子です。

 少なくとも新型コロナウイルス関連対策に関連して「日本の奇跡」などという通念は、学術的にいってグローバルには存在しません。

 世界で「奇跡」的に優秀なコロナウイルス対策国家として認められているのは、「ベトナム」「タイ」「オーストラリア」「ニュージーランド」の4か国なのです。

 逆に、日本が「緩和」といってもこれら4か国が日本からの帰還者の再入国を認める方針を取ってくれるかは、全く定かでありません。