![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/5/e/600mw/img_5e59453bf38c721d1dac6b35913f24251185691.jpg)
(城郭・戦国史研究家:西股 総生)
知識よりも楽しむこと
このところ、日本の城の歴史、戦国時代の城、陣屋などの話をしてきました。そこで、城を理解するためには、やはり背後にある歴史のことを知らなくては、と思った方も多いと思います。
歴史の勉強というと、学校の授業で習ったように、用語や人名、年号などを覚えゆくイメージがありますよね。でも僕は、歴史を知るために本当に必要なのは、知識や用語ではなく、原理を理解して楽しみ方を身につけること、だと思っています。この講座の第2回で、そんなことを書きましたし、以来ずうっと、そのスタンスでお話ししてきました。
![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/4/0/400/img_4003459333a2c538619b01f3b778b65c804598.jpg)
なぜなら、原理を理解して楽しみ方を身につければ、知識はあとからついてくるからです。ほら、アイドルグループに興味をもつと、たくさんいるメンバーの顔と名前、キャラとか得意技とか、いくらでも覚えられるでしょう?
![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/d/7/400/img_d7a2a1f797a709651ee1818993d935c71210754.jpg)
城や歴史も同じ。逆に、最初から知識、知識で詰め込んでしまうと、大切な原理みたいなものが、かえって見えにくくなってしまうことがあります。
たとえば、江戸時代の大名には、親藩、譜代、外様の種類があった、と教科書では覚えますよね。このうち、老中や若年寄といった幕府の要職につくことがてきるのは、譜代だけ。外様大名は、どんなに家格が高くても、財力があっても、頭がよくても、幕府の政治には関与できません。なんで、そんな意地悪するの? と、思ったことのある人、いませんか?
![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/e/4/400/img_e40ff05dbd92a40764f2e8140a5364941087539.jpg)