緊急寄稿 黒岩 祐治(神奈川県知事)

横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセス号(2月11日、AFP/アフロ)

感染病との戦争を克服するために

 昨今の新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延で、世界の指導者たちの発言で共通するのは「ウイルスとの戦争」です。

 世界のリーダーたちは次のように発言しています。

 米国のドナルド・トランプ大統領は「私はこの戦争に勝つ」。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は「私たちはウイルスとの戦争状態にある」。

 ドイツのアンゲラ・メルケル首相は「第2次大戦以来最大の挑戦だ」。また、台湾の蔡英文総統は「防疫は戦争と同じ。政府と民間は心を一つにしよう」。

 また、我が国の安倍晋三首相は、ジャーナリストの田原総一朗氏と対談した際、新型コロナウイルスの感染拡大を「第3次世界大戦」と表現しています。

 世界の多くの指導者は、新型コロナウイルスとの戦いを「戦争」になぞらえているのです。

 いつ、終わるかの見通しが立たず、勝つか負けるかも分からない。そして、銃弾が飛んで来て、自分に当たる(感染する)かもしれない。

 ダイヤモンド・プリンセス号が神奈川県の横浜に寄港して以降、私も最前線の現場に身を置き、日々刻々と状況が移り変わる中で、まさに戦っている、戦争の中にいる、という感じがするのです。

 私は神奈川県知事という職を担って9年目になりますが、いまの活動の原点はフジテレビジョンに勤務していた時に展開した『FNNスーパータイム』救急医療キャンペーンにあると思っています。