新型コロナの緊急事態宣言で、安倍晋三首相は企業に対して、「オフィスでの仕事は原則自宅で行うようにしていただきたい」と求めた。ICTを利用して自宅で勤務するテレワークは従来も働き方改革の一環として国が旗振りをしていたが、これまでなかなか進んでこなかった。今回のコロナ禍によってテレワークに初めて取り組む読者も少なくないだろうが、さまざまな戸惑いもあるのではないだろうか。また、家で働き外出ができなくなると、運動不足やストレスもたまる。そこでどうすればテレワークが上手くいくのか、テレワークしながら家でどう過ごせばよいのかについて、実態を踏まえて報告してみたい。
全社員テレワークでどう変わった
写真や動画素材をネット販売しているピクスタ(東京都渋谷区)は1日から約100人の全従業員を対象に原則在宅勤務体制に移行した。社員は自宅で働くと宣言をしてシステムに打刻。買い物や散歩などで抜けるときはその旨も伝える。
「あっ猫がキーボードに」。通常のコミュニケーションはチャットを使い、会議はテレビ会議となる。しかし、在宅ならではのハプニングも。会議が始まるとともに、本人が発言する前に猫が鳴いたり、幼い子どもが乱入したり。「参加者はむしろほほえましくみていますが、本人は慌てます」。
移行後、社員にアンケートをしたところ、「コミュニケーションは変わらない」という意見が多かった。普段わからない家庭での素顔が垣間見えたり、リアルに会えない分意識的にコミュニケーションをとろうとしたり。雑談が減ったという意見もあるが、おおむね問題はなさそうだ。