自宅に居ながらにしてパソコンやスマホをワンクリックすれば、大抵の物は手に入る。何とも便利な世の中になったものだ。新型コロナの影響でネットショッピングの利用者が急増したため、ネットスーパーは密かにほくそ笑んでいる。かと思えば、物が思うように売れずに困惑しているのだという。その理由の一つは、数年前から指摘されていた問題だった。
3月26日、スーパー大手のライフコーポレーションと組むアマゾンジャパンや、「楽天西友ネットスーパー」は受注を一時停止。また、他のネットスーパーも届け日を指定できず、混乱に陥った。
ネットスーパーは、一時停止の理由を商品不足と説明している。が、“コロナ需要”で店頭から消えたマスクやトイレットペーパー、アルコール消毒液などはまだしも、他の商品は十分に確保されていたはずではなかったのか。
商品はあってもドライバー不足で輸送困難に
ネットスーパー各社が受注の一時停止を公表した直前、江藤拓農水相は「食料については、安定的な“供給体制”は全く揺らいでおらず、十分な供給量が確保されているので、買いだめ、買い急ぎは必要ありません」と語っていた。
さらに、同省の新型コロナ対策本部も「全国民の消費量で米は約半年分、小麦は2カ月以上備蓄している」と、国民の不安払拭に努めていたのである。
では、何が原因でネットスーパーは混乱に陥ったのか。そのウラには、もっと根本的な原因が隠されていた。大手宅配業者の社員は、原因の一つを供給体制だと指摘する。なかでも、問題なのがトラックドライバーの不足だ。