3月30日、台湾・桃園にある、医療用マスクに使用する不織布工場を視察し、スピーチする蔡英文総統(写真:ロイター/アフロ)

「志村けんさん、国境を超えて台湾人にたくさんの笑いと元気を届けくれてありがとうございました。きっと天国でもたくさんの人を笑わせてくれることでしょう。ご冥福を心から祈ります」

 3月30日、台湾の蔡英文総統が、自身のツイッターに、タレント志村けんの急死を受けて、日本語でメッセージを寄せた。

蔡英文総統がツイッターの投稿した志村けんさんへの追悼メッセージ

『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ系列)は、『志村大爆笑』の名で台湾でも中国語の字幕付きで放映され、人気を博していた。2002年には「日本アジア航空」のCMで金城武と共演し、日本に台湾観光ブームをもたらすきかっけを作った。こうしたことから蔡総統自らが、追悼メッセージを発したものと思われる。

米軍当てにできなくなり日本に秋波送る台湾

 だが、うがった見方をする人もいる。語るのは、日本の防衛省関係者だ。

「蔡英文政権が、中国と緊張関係にあるのは周知の通りだが、台湾が強気でいられるのは、ひとえにバックに世界最強のアメリカ軍がついているからだ。だが最近、アメリカ軍が当てにならなくなるかもしれないと思い始め、日本に秋波を寄せてきたのだ」