ある市役所の職員である塾生は「私は地域づくりのリーダーになりたいと思っています。そのためには自分が人に感謝と感動を与えられるような取組みをしていかなければいけません。しかし、今回の塾で学んだのは、人にはすべてが伝わるとは限らないということです。豊重塾長の苦労が明確に分かりました。大事なのは『急がない、あわてない。近道しない』といった気持ちなのですね。塾で学んだことを、地域づくりに役立てようと思っています」と感想を述べる。

 また、別の市役所の出身の塾生は「行政の補助金というのが住民の自立の阻害要因になっていると痛感しました。そこを変えていくために取り組みたいと思っています。行政側としてもどうすればいいのか。やはり、地域に実際出て、本当の課題を認識しながら制度を変えていきたいと考えています」と地元に戻ってからの抱負を語る。

地域再生にはリーダーの存在が不可欠

 豊重は「『やねだん』ができたことはほかの地域だってできる」と考えた。小さな町内会の体験はほかの地域にも応用可能だと思ったのだ。それが故郷創世塾を立ち上げた動機だ。

豊重哲郎氏

「地域には財産がいっぱいある。田舎であっても都会であっても。それをどうやって形に表していくかが大事なのです。その意味でリーダーの存在は欠かせない。だから、リーダー養成塾は必要ですて。アイデアマンと呼ばれるようなリーダーを養成しなければ、国はなかなか前に進まないと思う」

 豊重が痛感しているのは、地域のリーダーとなり得る人材育成の重要性だ。

「国は1970年ごろから過疎対策を行っているが、ハード面の対策ばかりだった。国はカネがあったから何でも作っていいよというわけです。その時に『そうだ。やっぱり人材育成、リーダー育成』が大事といってその予算の10分の1でも使っていたら、東京一極集中はここまで進んでいなかったと思う」