米国最大のIR、ラスベガスの夜景

 日本におけるIRを巡る議論はあえて言わせていただくと、世界の情勢から40~50年程度遅れているのではないか。

 1980年代、ラスベガスにカジノを含む巨大テーマホテル群が誕生する前夜行われていた議論を21世紀の今、日本は再現しているように感じてならない。

 筆者がそのように感じてしまう要因のうち、最大のものは自民党・秋元司議員と中国企業「500ドットコム」を巡る贈収賄事件である。

 摘発されてからもうかなりの時間が経過しているが、本稿を執筆している2月1日の時点でも、IRを検索すると、IR汚職という項目にぶつかる。

 云々される金額やその用途が旅費だったり、カジノでのチップ代だったり、非常にせせこましく、世界の規模から遅れていることが一目瞭然だ。

 そして、その登場企業の矮小さは、世界のIRオペレーターとは比較の対象にもならない。

 しかし、本件が日本社会に与えるIRへのマイナスイメージは極めて大きく、IR=カジノと考える人たちには、反対論の実証のように使われてしまう。

 IRの主目的が地域開発と税収アップという遠大な目的を持つとき、数人の議員に数百万円の賄賂を贈ることで、物事が望む方向に動くと考える関係者が存在すること自体、日本のIR議論の浅薄さを感じさせる。

 それ以上に、その原資を提供したという中国企業が日本をそのようなレベルの国だと認識したことが悔しい。

 結局のところ、日本人は統合的リゾート、そしてカジノというものの本質をほとんど知らずに議論を始めてしまったと思う。

 その良い例が、1月29日、30日の両日、パシフィコ横浜で開催された「第1回横浜統合型リゾート産業展」である。