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(PanAsiaNews:大塚 智彦)

 フィリピンのマニラで開かれていた東南アジア競技大会(SEA GAME)の体操競技参加に向けた合同合宿から「処女でない」ことを理由に強制排除され、大会に参加できなくなったインドネシア人女子選手の問題で、インドネシア政府青年スポーツ省はこのほど「女子選手を代表合宿から強制排除したコーチ陣と選手、選手の家族、弁護士の間で和解が成立した」ことを明らかにした。

 この結果、同選手は競技練習に復帰してコーチの指導を受けながら2020年に開催が予定されるインドネシア国体(PON)に向けた準備を進めているという。12月17日の英字紙「ジャカルタ・ポスト」が女子選手を実名から仮名SASに変えて報じた。

「処女じゃないから代表候補から外す」

 SEA GAMEは11月30日から12月11日までフィリピンの首都マニラ周辺で東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国と東ティモールの11カ国から5500人の選手が参加し、56競技の53種目に渡ってメダル争いを繰り広げた。

 インドネシアからは841人の選手が52競技に参加して、金メダルの数ではフィリピンの149個、ベトナムの98個、タイの92個に次ぐ4位、72個を獲得した。2年ごとの開催であることから次回SEA GAMEは2021年にベトナムで開催されることになっている。

 女子体操競技のインドネシア代表候補として大会直前の合宿に参加していた17歳の女子高生選手SASさんが11月26日に突然体操コーチから合宿を離れて自宅に戻るよう「強制排除」される事件が起きた。

(参考記事)「非処女」で代表漏れ、インドネシア女性選手の悲劇
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58488

 東ジャワ州クディリに住む母親に伝えられた強制排除の理由が「SASさんが非処女だから」というものだったことから、地元メディアも大きくこの問題を取り上げる結果となった。