東京銀座周辺を走行中のタクシー車内。「交差点の名称など、車載カーナビよりスマホ画面のグーグルマップのほうが正確」(タクシー運転手)という(筆者撮影、画像の一部を修正しています)

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 赤信号で停止している時の使用はセーフかアウトか? 運転中にスマートフォンでグーグルマップを見ることは、ダッシュボードに固定していればセーフか?

 2019年12月1日、改正道路交通法が施行され、運転中にスマホを利用する行為、いわゆる「ながらスマホ」が厳罰化された。それに伴い、テレビやネットでは「○○○はアウトか、セーフか?」という議論が一気に盛り上がった。

 法律を正しく理解することは運転免許証保持者にとって必要なことである。だが、一連の報道をみていると、違反にならず、「セーフになること」に議論の焦点が偏っている印象がある。

 今回の法改正の趣旨は、原則的に「車内でのスマホ利用を止めよう」ということだ。ところが、どうも巷の議論はその方向に話が進んでいないように思える。

 なぜ、そうなってしまうのか?

 背景にあるのは、「クルマ全体のスマホ化」だ。言い換えると、「人とクルマの関係が、スマホによって大きく変わった」のだ。