トランプ大統領とエスパー国防長官。2019年7月25日国防総省式典にて(写真:AP/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが11月22日に米政府を提訴したと米ブルームバーグや米CNBCなどが報じている。

トランプ大統領の動画を提出

 米国防総省は先ごろクラウドサービスの事業で米マイクロソフトと契約を結んだが、その業者選定過程に誤りがあったとアマゾンは主張している。

 訴状の内容は公開されていない。アマゾンのクラウド事業の機密情報や企業秘密、非公表の財務情報などが含まれていることなどから、公表しないように同社が裁判所に求めたからだという。

 ただし、アマゾンはトランプ大統領の発言が含まれた動画などを裁判所に提出している。このことから選定過程に大統領の関与による政治的な影響力が働いたと主張しているようだとブルームバーグは伝えている。

最大100億ドルのクラウド契約

 これは、「JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)」と呼ばれる国防総省のIT(情報技術)システム近代化計画に関するサービス契約。期間は、同省がオプション契約の全選択権を行使した場合で10年。契約額は最大で100億ドル(約1兆1000億円)になる。

 当初、米オラクルや米IBMなども入札に参加していたものの、今年4月にこれらの企業は選考対象から外れた。そして、候補に残ったアマゾンとマイクロソフトのうち、アマゾンが最有力視されていた。