2019年10月10日、ミネアポリスの集会で演説するトランプ大統領(写真:AP/アフロ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 ウクライナ疑惑に関して、トランプ大統領に対する民主党による弾劾訴追調査の攻勢が強まっている。大統領選挙最大のライバルである民主党のバイデン前副大統領に関わるスキャンダル探しのために、ウクライナのみならず、中国にまで調査を要求したことが大きな問題となっているのである。そのバイデン候補も、9日、トランプへの弾劾訴追を支持する旨を表明した。

 8日付けのウォール・ストリート・ジャーナルは、NBCテレビとの共同世論調査の結果を発表したが、それによると、過半数が弾劾訴追調査に賛成している。しかし、今ある情報のみで、大統領を罷免すべきかどうかについては、罷免賛成が43%に対して、反対が49%である。その差はわずかであり、トランプが危機感を抱くのは当然である。

再選にプラスになりそうなら何でもする

 トランプは、議会の弾劾訴追調査について、正規の手続きを経ない憲法違反だとして、議会への協力拒否を通告した。民主党との対立が激化し、大統領選の前哨戦のような様相を呈している。