エクソンモービルの事業モデルである「資産拡大戦略」が必ずしも市場で評価されなかったことが分かります。

資産拡大の限界

 エクソンモービルに代表される従来のオイルメジャーの飽くなき資産の拡大は、自社をますます厳しくなる埋蔵量確保に向かわせ、深海や北極圏などのフロンティアでの探鉱・掘削を余儀なくさせ、自らのリスクを高める結果を招いています。

 BPのメキシコ湾の原油流出事故は、オイルメジャーの「資産拡大戦略」が限界にきていることを示唆しているのではないでしょうか。

福島とメキシコ湾からの教訓

 安全性に問題なしとして運転されてきた原子力発電所の放射能漏洩事故。そして、オイルメジャーの「資産拡大」戦略が自らに課すフロンティアでの石油・ガス埋蔵量確保が引き金となった1500メートル深海での原油流出事故。

 福島とメキシコ湾でそれぞれ発生したエネルギー業界を大きく揺るがした大惨事は、エネルギー会社の「資産の質」の重要性と「資産拡大」の限界を明らかにしました。

 まだ忘れてはならない場所がありました。中東です。

過去に通った道

原油スポット価格の推移

 北アフリカのチュニジア、エジプトに端を発した民衆による現体制への抗議活動は、中東諸国に飛び火し、ついにはOPEC加盟国リビアへの北大西洋条約機構(NATO)および米軍による軍事介入にまで発展しました。

 当然、原油価格は高騰しました。3月31日のWTIと北海ブレント原油は、それぞれ1バレルあたり106ドル、117ドルで取引され、エジプトでのデモが激化して以来、それぞれ約20ドル以上(約20%)上昇しました。