私も楽しみにしていた。だがいざ見てみるとほとんど渋野選手のVTRばかり。放送開始から30分以上経っても生中継が始まらない。何度も何度も、渋野選手のドライビングレンジでの練習風景、渋野選手のVTRばかりなのだ。渋野選手はスタートが早かったので“生中継”時点では、ほぼプレーを終えていたのだろう。渋野選手を見たいファンが多いことは間違いないと思うが、他の選手のプレーも見たいというのが、本当のゴルフファンというものだ。この期待にまったく応えていない放映だった。

 ときどき他の選手のプレーも映し出されたが、これもVTR。パソコンでスコア速報を見ていたのですでに終わっているホールだということが分かっていた。

 最後の方に優勝争いをしている最終組とその前の組がほんの10分ほど映し出されたが、これが“生中継”だったのかも知れない。結果的には、優勝した韓国のペソンウ選手、アンソンジュ選手、鈴木愛選手の18番ホールでのバーディパット寸前に放送は終ってしまった。これだったら“渋野選手だけを放映する画期的ゴルフ放送”とでもしてはいかがか。まるで詐欺にあったような不快感だけが残った。

 もう1つ、ゴルフ中継で不思議なことは、ほぼどの大会でも3人1組でラウンドするのだが、成績の良い選手や人気選手は映すが、そうでないと映さないということだ。それがまた恣意的としか思えない場合がある。その間、1人の選手のアップを放映し、横で打っている選手の打音だけが入ってくるという不自然さだ。「撮っているなら映してやれよ」と言いたくなることがゴルフ中継では実に多い。

 この前の「北海道 meiji カップ」では、金田久美子選手の組が放送されていたが、なぜか金田選手はティショットを映してもらえなかった。成績が悪いのかなあ、と思っているとパットの際に映し出され2アンダーだということが分かった。好成績である。選手に失礼である。

低迷する男子プロゴルフ界

 女子プロに比べて、日本の男子プロゴルフ界の現状は惨憺たるものだ。女子ゴルフは、3月に開幕した後、オープンウィーク(試合のない週)はなく、年間40試合近くある。男子プロは開幕が女子より1カ月半も遅い4月だ。試合数も20をようやく超える程度だ。現在、人気選手と言えるのは石川遼選手くらいである。

 獲得賞金額を見ても、女子ゴルフでは5000万円超えが12人、3000万円超えが22人いる。男子の方は、5000万円超えは1人、3000万円超えは6人しかいない。ギャラリーの数も女子ゴルフの方が多い。そのうえ渋野選手という大スターが誕生した。ますます差をつけられることだろう。