2004年ギリシャ・オリンピックの赤字を想起してください。濫費は全欧州の経済を危機的状況に追い込みました。そういう判断を下すべきか否か?

 すべては本質的には納税者が判断すべきで、現実には公職選挙で選ばれたその代表、つまり議会に諮られねばなりません。

「あいちトリエンナーレ2019」は、危機管理が全くできないアマチュアを芸術監督に据えるという明確な失敗を犯しました。

 あえて国立大学法人の芸術教員として居住まいを正したうえで明記しますが、こういうことは二度と繰り返すべきではなく、失敗の原因を明らかにするとともに、厳密に再発を防止することを、関係各方面に注意喚起したいと思います。

 私は、ビエンナーレ、トリエンナーレや五輪文化行事のような公的イベントのアーティスティック・ダイレクションを、新たな切り口の人材が行うことを決して否定しません。

 また一芸術人として、表現の自由は厳密に守られるべきと思います。長年の連載読者はよくご存じのとおり、私は徹底してハト派で、リベラルなスタンスを崩しません。

 そのうえで、ですが、公金の扱いがいい加減であるとか、物理的な暴力被害を呼び込むとか、危機管理の予算見積もりができないとかいった表現以前、芸術以前の、当たり前の公務が完遂できないチームの編成は、二度と繰り返すべきではないと思います。

 本当の意味での「悪しき前例」の意味を、日本社会はきちんと理解し、学習すべきと思います。

ベルリン・テロ現場の慰霊モニュメントと、その前で進められる2019年の「夏の市」の準備