その後ぼろぼろと出てきた事実から、この展示は、公的な国際トリエンナーレであるにもかかわらず本来必要な事前告知を意図的に怠り、「炎上」効果を狙った可能性が高い。

 炎上効果が予想以上の規模に広がってしまい、実際に逮捕者も複数出る事態となってしまった。

 夏休み中に開催される平和と人道の国際芸術祭であるはずが、危険を避けて来場を手控える人が出るような事態となったことは、ガバナンスそのものの問題です。

 表現の自由でもコンテンツの中身の問題でもなく、税金を使って公的な催しを行う最低限の規則が守られていなかった可能性が明るみに出てきてしまった。

 これは本質的にインターナショナルなトリエンナーレの開催であったはずなのに、日本国内の「ネット民の反響」程度しか、見ていなかったのではないかと察せられます。

 また、ここで「表現の自由」を言う人の中に「暴力に屈することなく、展示を続けるべきだ」といった意味合いの意見を目にしました。

 仮にそうだとして、「テロの脅しや暴力に屈しない」ために、どの程度のコストがかかるのでしょうか。お金の見積もりが全く抜け落ちた意見に見えました。

 それは素人の妄言であって、財務の後ろ盾のないアイデアは、夢まぼろしにすぎません。少なくとも職業的な責任で芸術事業を監督するなら、安定確実な予算のあてがなくてはできません。

 すべて元は税金なんですから、冗談にもならない。

 まして主催者側が事前から意図的に「炎上狙い」つまり暴力的な襲撃を誘引するなど、言語道断と言わざるをえません。

 意図的に炎上させるつもりなら、今回「わしらネットワーク民」を名乗った容疑者が実際に逮捕されたような事態をあらかじめ想定していなければなりません。

 テロを誘発させるなど許されることではないうえに、その際に「テロに屈しない」ために、どれほどのコストがかかるのか、2019年8月8日時点でのベルリンの実例で、お話したいと思います。