一方、韓国社会では相変わらず旭日旗をめぐる尖がった反応が続いている。4月26日、ネット媒体の「アイ・ニュース24」は、『趙源泰(チョ・ウォンテ)韓進グループ会長、デビュー写真で旭日旗論議・・・「航空機エンジン」と反論』という記事を掲載した。
ファン・ブレードで「旭日旗を連想」
今年4月8日に死亡した趙亮鎬(チョ・ヤンホ)大韓航空会長の後任となった趙源泰会長側がマスコミに配布したプロフィール写真に「旭日旗を思わせる背景がある」との議論が提起されている、という内容だ。ところが、議論になっている写真をみると、単なる飛行機エンジンのファン・ブレードを背景にした趙会場の正面バストショットだ。飛行機エンジンのファン・ブレードで旭日旗を連想するというのは、どう考えても無理やりな気がする。
「平和ニュース」というフェブ新聞は3月18日、『慶州・普門(ボムン)団地に旭日旗登場で相次ぐ抗議・・・ドラマ撮影用のハプニング』という記事を掲載した。その記事によると、有名観光スポットである慶尚北道慶州市にある普門団地に旭日旗と日本帝国主義を称賛する垂れ幕が掲げられている写真がSNS上で拡散、騒ぎが起きたという。ところが、所管地域の観光庁が調査した結果、垂れ幕はドラマ撮影用の小道具だった。しかし市民からは、「案内文もなしに旭日旗を掲げたのは不適切だ」「気持ち悪い」との非難が続き、観光公社側が「市民を驚かせて申し訳ない」と謝罪したという。
日本のNHKにあたる韓国の国営放送「KBS」では、旭日旗が消されることもあった。毎週土曜日に放送される『映画が好き』という映画情報番組は、2月23日、映画に登場した旭日旗を消して放送した。この日紹介された映画『自転車王オム・ボクトン』は、日本帝国主義時代に日本が主催した自転車大会で日本選手を破って優勝したオム・ボクトンという実存の人物を描いた映画だ。映画のハイライトにあたる自転車でのレースシーンに登場する競技場にはいくつもの旭日旗が飾られていたが、KBSは視聴者の感情に考慮して、映画の中の旭日旗をすべて消して放送したのだ。
去年の10月、済州島観艦式直後、韓国国会ではいわゆる「旭日旗掲揚禁止法」という法案が発議されたこともある。国会副議長も歴任した「共に民衆党」の李錫玄(イ・ソクヒョン)議員が発議した「旭日旗など日本帝国主義シンボルの使用を禁止する法案」は、「旭日旗を掲揚した船舶の韓国領海通過禁止、旭日旗を付着した航空機の運航禁止、そして旭日旗などの日本帝国主義のシンボルを所持したり、流布したりした者に対して2年以下の懲役と3000万ウォン以上の罰金の賦課」などの内容が含まれている。
ただ、韓国マスコミによると、この法案は韓国外交部が「韓日関係に悪影響を及ぼしかねない」と反対しているため、6カ月間も国会で漂流中だという。
旭日旗をめぐるドンチャン騒ぎ、韓国ではまだまだ続きそうだ。