「あそこに見える銅像が歴史をどのように歪曲しているのか、釜山市民と国民の皆さんに申し上げたいです」
5月10日午後、釜山市・草梁洞(チョリャンドン)の日本国総領事館から180メートル余り離れた所にある広場で、徴用工像の設置に“反対する”集会が開かれた。
この広場は日本総領事館の前に建てる目的で製作された徴用工像の臨時設置場所で、「歴史歪曲・徴用工像設置に反対する市民の会」の十数人の会員たちは、この徴用工像を見合わせながら、一時間あまり集会を続けた。
「やせ細った徴用工像のモデルは日本人労働者」
スピーカーを手に取ったイ・ウヨン代表が発言を続ける。
「今まで徴用で日本に行って来た方々は、韓国政府から2回にわたって賠償金を受け取りました。その時、彼らが徴用の証拠として裁判所に提出した資料のうち、最も多かったのが写真でした。
しかし、彼らが提出した数千枚の写真のうち、どの写真にもあそこの銅像のようにやせ細った姿はなかったのです。みんな壮健な元気な青年の姿ばかりでした。
それにもかかわらず、民主労総と韓国労総、挺対協は政治的利益のために歴史を歪曲し、一昨年から徴用工像建立推進委員会を構成し、全国に銅像を作っています。(中略)あそこにあるやせ細った徴用工像は、朝鮮人ではなく、日本人労働者をモデルにしてでっち上げたイメージです・・・」
声明書の発表を終えたイ・ウヨン代表と会員たちは、三々五々と分かれて近くのチャガルチ市場へ向かった。彼らが市場付近で銅像の設置に反対する印刷物を配布している途中、ちょっとしたトラブルが発生した。女子中学生団体に印刷物を配布しようとしたら、生徒を引率していた女性教師から印刷物を奪われてしまったのだ。そればかりか彼女に「どこの団体ですか」「韓国人としてこんなことをして恥ずかしくないですか」などと厳しく責められてしまった。他にも、印刷物を見て露骨に眉をひそめる人も何人かいたが、幸いに深刻な衝突は起きなかった。