業績向上を目的とした組織改革や人材開発、リーダー開発の加速に向けてエグゼクティブ・コーチングを提供するコーチ・エィの「Coach's VIEW」から選りすぐりの記事をお届けします。
さまざまな意見が出てきてぶつかり合うようにするには、どうしたらいいのだろうか。

(文:コーチ・エィ 長田祐典)

「対立する意見は、どうしたら出てくるのでしょうか?」

 クライアントのこの一言で、コーチングセッションが始まりました。

 詳しく聞くと、クライアントの会社では経営チームで何かを議論する際、互いに追認する意見ばかりが出るのだそうです。

 クライアントは続けます。

「経営スピードは上ってはいます。が、議論がし尽くされている感がない。何か、とても大事なことを見落としたまま、意思決定をしてしまっているのではないか? 時々、そんな不安がよぎるんです」

 対立する意見がほとんど出ず、同意や追認の声ばかりが出てくる。

 みなさんもリーダーとして、一度は感じたことがあるかもしれません。

なぜ「全会一致」は起きるのか?

「対立の意義」というテーマでTEDのスピーカーを務めたマーガレット・ヘファナン氏は、「全会一致とは、参加者が真剣に考えていなかったことを意味する」と述べています。

 人はそれぞれ異なるはずですから、100%同じ意見や考えを持っていることはあり得ない、ということなのでしょう。