中国軍が新型長距離巡航ミサイル「YJ-18C」の試射を実施した。これまでも中国軍は次から次へと各種新型ミサイルを生み出しているが、とりわけYJ-18Cは米海軍関係者たちに強い警戒心を抱かせている。
YJ-18Cの最大の特色は、発射位置の自由度にある。中国軍のミサイルの大半は、中国に侵攻してくる米軍やその同盟軍の接近を阻止するための兵器である。だが、YJ-18Cはアメリカ国内の地上目標や軍艦などを攻撃することが可能な兵器なのだ。
YJ-18巡航ミサイルの最新バリエーション
YJ-18Cは、現在中国人民解放軍海軍が配備を進めている巡航ミサイル「YJ-18」(鷹撃-18)の最新バリエーションである。
基本となるYJ-18ミサイルは、駆逐艦から発射する地上目標攻撃用長距離巡航ミサイルで、そのバリエーションとして艦船攻撃用のYJ-18A対艦ミサイルと、潜水艦から発射するYJ-18B巡航ミサイルが開発されていた。そのほか、地上発射装置(TEL)から発射するバリエーションも開発中とのことであったが、その前にYJ-18Cの存在が明らかになった。
いずれのタイプのYJ-18ミサイルも、最大飛翔距離は540kmで、巡航速度はマッハ0.8、攻撃目標に接近するとマッハ3にスピードを上げて目標に突入する。最大300kgの弾頭を装着することができる。
海上・地上のコンテナからミサイルを発射
YJ-18Cは、駆逐艦から発射されるわけでも、潜水艦から発射されるわけでも、TELから発射されるわけでもなく、国際海上貨物輸送用コンテナから発射される。
幅8フィート、高さ8フィート6インチ、長さ40フィートの国際海上貨物輸送用コンテナ(以下コンテナ)内に発射装置と発射制御装置などのミサイルシステムが組み込まれており、コンテナが積載されている貨物船や、大型トレーラー、貨車、それに地上など、コンテナが運搬設置される様々な場所から発射することが可能なのだ。