ピストンが下降してゆく吸入行程から折り返して圧縮行程が進む間に、その空気量に合わせた燃料をシリンダーの中に噴射する。つまり燃焼サイクル1回ごとに燃料を調量して送り込めるのが「直噴」。ただし噴射~気化・混合のための時間は10~100分の1秒しかない。(写真提供:Audi)

 しかし欧米勢は、先ほどの旧態化机上論から一歩先へ踏み出している。エンジンが生み出す力をより精密に、極端に言えば1回ごとの燃焼をコントロールしてドライバーの運転

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