ロシアの貨物船「ニキフォル・ベジチェフ(NIKIFOR BEGICHEV)」がレニングラード近郊のUst-Luga港を2017年12月30日(現地時間)に出港し、中国に向かった。その後、2018年1月19日の報道によると、ニキフォル・ベジチェフは2018年1月3日(現地時間)にイングリッシュ海峡で大時化(おおしけ)に遭遇し、積載していたS-400地対空ミサイルシステムの一部がダメージを受けた模様である。
しかし、ダメージを受けたとされるS-400システムの詳細に関しては明らかにされることはなかった。
このほど、アブダビで開催されている「国際兵器展示会(IDEX-2019)」に出席したロシアの国策会社、ロステック(Ростех:英語表記ではRostec、正式名称は「先進技術工業製品の開発生産輸出促進のための国営企業ロステック」)のCEO、セルゲイ・チェメゾフ氏が西側報道関係者に2018年の事故の顛末を語った。これによって、1年ぶりに詳細情報が判明した。
チェメゾフ氏が語ったところによると、事故によって積み荷の40N6対空ミサイル全てがダメージを受けてしまったため、ロシアに返送して全て廃棄したとのことである。