これこそが米国らしさと言うべきなのだろうか。
ロシアが開発を続けてきた最新鋭ミサイルシステム「S400」が7月末、初めてロシア以外の国に引き渡されて、米政府が過剰とも思える反応をしている。
同システムを導入した国は、どの国であろうとも制裁を課すと脅したほどである。
パトリオットより性能は格段に上
ロシア製であるだけに、ドナルド・トランプ政権が過敏に反応するのも分からなくはない。米政府の「許すまじ」という強いトーンの背後からは、単に敵対的な姿勢だけではない複雑な国家関係が浮上してきている。
背景を説明させていただく。
S400と呼ばれる最新鋭ミサイルシステムは地対空ミサイルで、ロシアが1990年代後半から開発していたものだ。「S300」の改良型で、2004年に迎撃実験に成功している。
S400は米国の迎撃ミサイルであるパトリオットのロシア版と捉えられているが、性能はS400の方が格段に上であると評価されている。
別名「トリウームフ(大勝利)」と呼ばれており、6つの目標に対して同時に対応できる「多目標同時交戦能力」を持つだけでなく、3種類のミサイルを運用できるばかりか、射程距離もパトリオットの2倍以上と言われているからだ。