米中貿易協議が終了、「うまくいった」と米高官

米中高官級貿易協議を終えて、中国の首都北京にあるホテルに戻る米農務省のテッド・マッキニー次官。報道陣に協議は「うまくいった」と語った(右、2019年1月8日撮影)。(c)GREG BAKER / AFP〔AFPBB News

 WTI原油先物価格は、昨年(2018年)のクリスマスイブに記録した18カ月ぶりの安値(1バレル=42ドル台)から10ドル超上昇した後、再び下落し始めている。

 上昇した理由と、再び下落し始めた理由を整理してみよう。

主要産油国が新たに協調減産を開始

 昨年(2018年)末から原油価格が急回復した理由として第1に挙げられるのは、1月上旬に開催された米中通商協議の進展である。今後の不透明感は根強いものの世界経済の減速懸念が後退し米国株式市場が上昇基調となったことから、リスク資産と位置づけられる原油先物に買いが優勢となった。

 第2に、OPECをはじめとする主要産油国(OPECプラス)が2019年1月から新たに協調減産(日量120万バレル)を開始することもプラス材料だった。OPECの昨年12月の原油生産量は、サウジアラビアが日量40万バレル超の減産を行ったことから、前月比63万バレル減の同3243万バレルとなった。

 昨年11月の原油生産量を日量1100万バレルと過去最高に拡大したサウジアラビアは、原油価格急落の事態を受け率先して減産を開始し、今月中にも協調減産で合意した日量1020万バレルに削減する見通しである。

 サウジアラビアは原油生産量とともに輸出量の削減にも努めている。1月までに原油輸出量を11月(日量790万バレル)に比べて80万バレル減らす計画を有するとされている。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は1月9日、「2月の輸出量を1月より減らす。市場が改善しなければ追加的な手段も排除しない」と述べるなど生産調整への強いリーダーシップを示している。

サウジ以外のOPEC諸国はむしろ増産

 ただし、サウジアラビアの活発な動きとは対照的に、その他のOPEC諸国の減産に向けた取り組みは伝わってきていない。むしろ増産の動きが目立っている。