そこで、この雑念を取り払い、今ここへの集中を取り戻そうというのがマインドフルネスの取り組みです。これは簡単な呼吸法や瞑想をベースとしたもので、日本人にはなじみの深い座禅と通じるところが多々あります。この状態になることで、生産性の向上、ストレスの軽減、他者への思いやり向上などに効果的であることが科学的にも明らかにされています。マインドフルネスや瞑想のやり方については、詳しく解説したWebの記事や書籍がありますので、そちらを参考にしてください。

おっさんはヨガ教室で恥ずかしがってはならない

 精神を充実させるには、ヨガも効果的です。ただ、ヨガ教室は女性であふれているイメージがないでしょうか。確かにその一面は否定できません。「女性のなかにおっさんがぽつんと一人」という状態に抵抗を感じる中高年ビジネスマン諸氏も多いことでしょう。自分の心が伸び切った状態にあるなと感じているならば、恥ずかしがらずに通ってみてください。あるいは、勤務先がそれなりの規模の会社だったら、人事部がインストラクターを会社に呼んでヨガ教室を実施してくれることもありますので、そこに参加してみるのも良いでしょう。そこも女性社員の目があって恥ずかしいと感じるようならば、男性のみの教室もありますので、そういう教室を見つけて通ってもらうのも良い方法です。

ヨガ、瞑想、マインドフルネスで伸び切った心を再びしなやかに

 ただ1つ、見極めてほしい点があります。それはその教室が「目的に適っているかどうか」です。漠然とした目的で参加しても、体験レッスンの後が続きませんし、ダイエットや美容メインの教室のプログラムは、本来の目的とはズレてしまいます。キーになるのは、「頭」と「体」の疲労をリセットし、心身を整えること。そこを忘れないでください。最近はビジネスパーソン向けに、疲れた頭と体のリセットに特化したジムも出てきています(参考:ゼロジムhttps://zerogym.jp/)。そういう施設を利用してみるのも手でしょう

PDCAではなく、解決志向のアプローチを取る

「PDCAは仕事を前に進めるための基本ツールである」ということに異論をはさむ人はいないでしょう。

 しかし、PDCAをキッチリ回すことは意外としんどいものです。書店のビジネス本コーナーを覗けば、たくさんの解説本が並んでいます。世の中にこれだけPDCA本が出回っているということは、それだけPDCAをうまく回せず、そこに悩んでいる方が多いからだと思います。

 PDCAがうまく回らない大きな原因の1つは、Cのところで、「なぜ?」を追及しすぎることです。

 普段のビジネスにおいても、「なぜ?」と追及されると、「責められた」と感じてプレシャーになってしまいます。そうなると、思考が狭くなってしまい、その場を逃れるためだけの、当たり前の原因を上げてしまうような心理が働きます。もちろんその原因が問題の本質とは限りません。

 大事なことは、原因の追及ではなく、ゴールにたどり着くことです。「どうすれば解決するか?」「どうすればいいか?」という解決志向の問いこそが必要なのです。この発想があれば、近視眼的な思考に陥らず、気持ちに余裕が出てきます。うまくPDCAを回している組織はこの問いから入ります。人を責め、無数の原因から何かを特定しても、ゴールにたどり着くためにはほとんど意味がないからです。

 そしてこれは、「働き方改革」時代にプライベートを充実させるためにも大事な思考法なのです。家庭やプライベートで上手くいかないことがあっても、「なぜ?」と自問自答を繰り返すより、「どうすれば上手くいくだろうか」と考えてみるのです。それができれば、暗く沈んだ時間はなくなり、心が前向きになり、ゴールにつながる施策が短時間で見つかるようになります。時間のムダが減らせるだけでなく精神疲労のムダも激減します。

 仕事もプライベートも使う脳ミソは一緒です。仕事で前向きに考える癖がつけば、プライベートも前向きに考えられる余裕と思考回路が手に入るので「解決志向」をお勧めします。