いよいよ不気味トンネルに突入!

 実は、Googleストリートビューでトンネルの入口までは事前に確認していた(その先はストリートビューの画像がない)のだが、トンネルの入口の画像からは、ひと気のない神社を訪れるような畏怖の念が感じられ、不気味なトンネルを一人で通るのはかなり恐そうだった。誰かと一緒じゃないと引き返してしまいそうな気がしていたので、今回は、予約時にタクシーの運転手さんに同行をお願いしたのだ(時間制の貸切にした)。

 細い道を100mほど進むと、密集した杉の木が陽の光を遮る中、黒い穴のようなものが見えてきた。あのトンネルに違いない。

不気味な「大鮫隧道」の入口。縦横2.5mほどの素掘りのトンネルが60mあまり続く

 トンネルをのぞき込むと、はるか向こうに出口の丸い光が見える。思い切って足を踏み入れたものの、暗くて自分の足元すら全く見えない。懐中電灯を持ってくればよかった。

 運転手さんと声をかけながら歩いていくと、不安感はそれほど大きくならずにすんだ。一歩一歩、ただひたすら歩を進めていくと、私の前にとうとうあの景色が現れた。

「とうとうあの景色のところに」。鮫ヶ浦へ続くトンネルの出口

 暗闇の中から光を目指して進み、ついに出口に到達したときの安堵する気持ちはなんとも言えない。ゆっくりゆっくり踏みしめるように私は洞窟の外に出た。