米国はいまでも年間約70万人の移民を受け入れている。さらにアフリカや中東の難民キャンプから年間11万人の難民を迎えいれている。
しかしトランプ政権になってから、難民の受け入れ数は3万人以下になっているのが現状だ。そこでもトランプの難民への考え方がうかがい知れる。
移民や難民の立場は常に脆弱である。
日々身に迫る危険
そこに「不法」という言葉がつくと、彼らの立場さらに脆くなる。
誰もすき好んで自身の生まれた国を離れたりはしない。そこにはほとんどの場合、圧倒的と呼べるほどの経済的・政治的な弱者としての立ち位置がある。
日々身に危険が迫り、住んでいた周辺地域では生活できない社会状況があり、1週間の労働でも5000円にしかならないホンデュラス人たちがいる。
家族も養うこともままならない彼らが米国に向かうのは、不法入国者になってでも、仕事に就いて生きていくためである。
米国には彼らを救済する人権団体や非営利団体が数多く存在する。彼らはそうした団体の存在をよく知る。
不法入国した後、知人や友人のもとに身を寄せ、農場や中小企業、飲食店などで違法就労をする構図は何十年も前から変わっていない。