例えばレストランが違法就労者を皿洗いとして雇うと、雇用主は罰せられるが抜け道はある。
というのも彼らは正規の給料を受け取らず、現金で給料を貰うのだ。
密告されない限り、移民局の係官に発見される可能性は低い。店側も税金や保険を支払う必要がない。
時給生活の違法滞在者は1100万人
こうした時給生活をしている違法滞在者が米国には1100万人もいるのだ。彼らは稼ぎの中から自国に残してきた家族に1か月に数万円の仕送りをする。
移民キャラバンが米国に来る大きな理由がここにある。
トランプがこうした移民の存在もすべて否定するのであれば、米国経済は1100万人分の労働力を失い、経済のピラミッドの下層部分が崩れていくことになる。
短期的にはメキシコ政府と共に、数千人に居住場所と仕事を提供することになるだろうが、長期的にはこうした違法移民を生み出さない社会状況を中米に醸成していかなくてはいけない。
12月1日に大統領に就任するメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール新大統領とトランプ政権との間で、移民キャラバンの「メキシコ国内残留案」が話し合われているとの情報もある。
しかしそれは紛れもなく、メキシコに移民たちを押しつけ、米国内には1人たりとも入れたくないトランプの強欲のなせる業なのかもしれない。