NY証券取引所、全株式取引が一時停止 システム障害で3時間以上

米ニューヨークのニューヨーク証券取引所。株式市場に少しずつ動揺が生じ始めている(資料写真)。(c)AFP/Getty Images/Spencer Platt〔AFPBB News

 11月5日、米国がイラン産原油を対象にした制裁を発動したが、「当面の間、原油は安定的に供給される」との見方から米WTI原油先物価格に大きな値動きはなく、その後、米国の原油在庫増で8カ月ぶりの安値となった(1バレル=61ドル台)。

 WTI原油価格は今年(2018年)5月に米国がイランへの制裁を表明したことを契機に上昇し始め、10月には1バレル=76ドル90セントの高値を付けたが、その後イランを除く主要産油国の原油生産量が増加したことなどから今年4月の水準にまで値下がりした。5日の取引では当初WTI原油価格は上昇したが、午後になってトランプ大統領が「個人消費の鈍化につながる原油高を回避するため、イラン制裁は緩やかに進めたい」と述べたことや「米国政府が中国、インド、韓国、台湾、日本、トルコ、ギリシャ、イタリアに対してイラン産原油の一時的な輸入継続を認めた」ことが伝わり、「原油需給が引き締まる」との見方が後退した。イランの原油出荷状況などから本格的な減産は来年以降になる見込みである。

 イラン産原油輸入については各国の削減努力を勘案し半年後に判断されるが、前回の制裁時の基準が曖昧であったことを思い起こせば、「今回も輸入ゼロを達成していなくても減少していれば制裁の適用免除が延長される」との見方がある。

主要産油国はいずれも増産

 他の主要産油国を見ると、増産にますます歯止めがかからなくなっているようだ。

 ロイターによれば、10月のOPEC諸国の原油生産量は前月比39万バレル増の日量3331万バレルとなり、2016年以来の高水準となった(減産遵守率は122%から107%に下落)。イランの原油生産量が日量10万バレル、ベネズエラが同7万バレル減少したが、サウジアラビアが同12万バレル、アラブ首長国連邦(UAE)が同20万バレル増加している。UAEは11月6日「原油生産量を2020年までに100万バレル増産する」ことを発表した。

 ロシアの10月の原油生産量は日量1141万バレルとなり、ソ連崩壊後の最高記録を更新した。

 米国でも8月の原油生産量が前年比210万バレル増の日量1135万バレルと過去最高水準となったことが明らかになった(直近の生産量は1160万バレル)。年間の増加幅は1920年以来の大きさである。輸送パイプライン不足などの問題はあるものの、この驚異的な伸びが今後も続けば、米国の増分だけでイランの減産の穴埋めは可能である。