「砂漠のダボス会議」にサルマン皇太子、参加者と談笑 自撮りも

サウジアラビアの首都リヤドで開幕した国際会議「未来投資イニシアチブ」に出席したサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(2018年10月23日撮影)。(c)FAYEZ NURELDINE / AFP〔AFPBB News

 米WTI原油先物価格はこのところ1バレル=70ドル割れで推移している(北海ブレント原油先物価格も1バレル=80ドル割れの状態となっている)。

 10月に入ってトルコのサウジアラビア領事館で起きたサウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件が世界を揺るがせている。この事件から生じたサウジアラビアリスクは原油市場にどのような影響を与えるのだろうか。

 まずは足元の原油市場の動向を確認してみたい。

拡大している原油生産量

 9月のOPECの原油生産量は前月比12万バレル増の日量3268万バレルとなり、減産遵守率は前月の129%から111%に下落した。イランでは前月比15万バレル減、ベネズエラが同4万バレル減となったが、サウジアラビアやリビアは前月比10万バレル超の増加となった。リビアは政情不安にもかかわらず日量100万バレルの大台に回復しており、英BPやイタリアのENIの協力を得て来年(2019年)第1四半期に日量数十万バレルの増産が可能な状況になりつつある(10月22日付ブルームバーグ)。ロシアの原油生産も、ソ連崩壊後の最高水準を続けているものと見込まれる。

 米国の原油生産量は10月に入り日量1120万バレルと過去最高を更新した。米エネルギー省によれば11月の主要シェールオイル産地の生産量は前月比10万バレル増の日量771万バレルとなる見通しである。米エネルギー省は「2019年の原油生産量は1180万バレルに達する」との見方を示していたが、米国内務省は10月17日、「インフラ面での課題はあるものの、2020年までに米国の原油生産量は日量1400万バレルに達する可能性がある」との予測を明らかにした(10月17日付OILPRICE)。米国産原油の輸出量が2020年までに現在の日量200万バレル強から同400万バレルにまで拡大するとの期待も出ている(10月9日付OILPRICE)。

 一方、「11月から始まる制裁によってイラン産原油の輸出量をゼロにする」との米国の目標は達成の見込みがなくなりつつある。米国のムニューシン財務長官は10月21日「イラン産原油の輸出量は既に大幅に削減されているが、11月にゼロになるとは考えていない」と述べた。