さらに北朝鮮事業を長年手がけてきた現代グループ会長や公企業である韓国電力公社社長、韓国観光公社社長、国策銀行である韓国産業銀行総裁の名前もある。
韓国の産業界では、「随行員に入った人、入らなかった人」に対する関心が高い。
賛否割れる李在鎔副会長の随行員入り
最も注目を集め、賛否が分かれたのが李在鎔副会長だ。
李在鎔副会長は、朴槿恵(パク・クネ=1952年生)前大統領の一連のスキャンダルに絡んで「贈賄罪」などで1審、2審ともに有罪になった。
1審では実刑判決を受け、約1年間拘置所生活をした。近く、大法院での審理が始まるという立場だ。
進歩系の市民団体などからは、「こういう人物を大統領の北朝鮮訪問に随行させることは適切ではない」という意見も多い。
一方で、文在寅大統領は、2018年7月のインド訪問の際、李在鎔副会長の案内でサムスン電子の工場を見学した。その後、経済副首相が、韓国内の半導体工場を訪問した際にも李在鎔副会長と面談した。
「経済再生を進めるためにはサムスンの協力が不可欠だ」という意見も根強い。
賛否が錯綜する中で、16日の記者会見で任鍾晳秘書室長は「2000年にも2007年にも4大財閥の総帥は同行した。裁判は裁判として厳格に進めるが仕事は仕事だ」と語った。
今の政権の支持層の間から、批判的な声が出ていることを意識した発言だろう。
財閥3位のSKグループの崔泰源会長は、文在寅大統領が外遊するたびに同行してきた。
4位のLGグループの具光謨会長は、2018年6月に40歳の若さでグループトップに就任したばかり。対外行事もまだほとんど顔を見せておらず、事実上の「対外デビュー」になる。