ミス・アメリカ、水着審査を廃止 「今後は外見で判断せず」

ミス・アメリカ機構のグレッチェン・カールソン理事長。米ニューヨークで行われたイベントで(2017年6月13日撮影、資料写真)。(c)AFP/ANGELA WEISS 〔AFPBB News

「身体的外見で美を選ぶ」のは男性中心社会の弊害

 97年前に米ニュージャージー州の港町アトランティック市の観光客集めのために始まり、全米の未婚女性の美を競うミスコンの老舗「ミス・アメリカ」(非営利団体、全米50州に支部)に「革命」が起こった。

 今年9月のコンテストからビキニ審査が追放されたのだ。9月に開かれるコンテストではビキニ姿でステージを闊歩する美女たちの姿はない。

 ドナルド・トランプ政権発足と同時に沸き上がった反セクハラの波はついに「ミス・アメリカ」を飲み込んだ。

 「身体的な外見で女性の美を競うのは『男性中心社会の弊害だ』」というのが追放の理由だ。

 今年から「ミス・アメリカ」運営団体の理事長に就任したかって「ミス・アメリカ」の栄冠に輝き、その後保守系フォックス・ニュースのスターとなった熟女が提唱し、女性上位の理事会が賛成多数で決定したのだ。

 今年からは全米各地で勝ち抜いてきた女性に審査員が厳しい質問を浴びせ、それに答えられる「才女」の中からクィーンを選ぶという。

 もっともミスコンで女性のプロポーションやステージでの仕草などだけで美を競わせるのは「女性蔑視だ」との声は以前からあった。

 その都度、運営団体はタレント部門を新設したり、クィーンには大学授業料を免除する奨学金制度を作ったり、あの手この手でビキニ審査の存続を守ってきた。

 ところが今回ばかりはそうはいかなかった。何しろ、運営団体を自らセクハラ被害に遭い、告訴し、事実上勝訴した反セクハラ運動の旗手的女性が乗っ取ってしまったからだ。