紫光集団傘下の長江ストレージは、武漢に月産10万枚の3次元NAND用工場を2017年末に立ち上げ、既に装置の搬入が始まっている。長江ストレージは2020年に月産30万枚、2030年に月産100万枚に増産すると発表している。
UMCと技術提携しているFujian Jin Hua Integrated Circuit(JHICC)は、2017年10月に月産10万枚のDRAM工場を立ち上げ、今年、装置搬入を開始した。2019年以降に現在最先端の1X nm DRAMを量産する計画である。
元エルピーダの坂本幸雄社長がCEOを務めるサイノキングとの提携に失敗したHefeiは、RuiLiと社名を変更した。その上で、SMICの経営トップを務めたデビッド・ワン氏を招聘し、マイクロン傘下の台湾イノテラから大量に技術者を引き抜いて、1X nm DRAMを立ち上げつつある。2017年9月に月産12.5万枚の工場が完成し、2019年に大量生産を目指している。
その他、長江ストレージのActing chairmanで、紫光集団のExecutive VPでもあるチャールズ・カウ氏は、300億ドルを投じて成都に最先端の1X nm DRAMを量産すると宣言した。
要するに、現在、中国では、3次元NAND工場および3カ所で巨大DRAM工場を立ち上げ中、または計画中である。
ところが、2カ所で立ち上げが進んでいるDRAMメーカーを相手に2017年、マイクロンが訴訟を起こしている。
大きな実力差があるマイクロンと中国DRAMメーカー
まず、マイクロンは2017年、子会社の台湾イノテラの技術者が中国RuiLiへ転職することを阻止しようとしている。マイクロンは、台湾の検察当局に対し、技術流出に絡んだ特別調査に踏み切るよう要求した(MONEY VOICE、2017年4月17日)。台湾検察著局は、「詳しい事情の聴取」などを目的として、約百人を呼び出した模様である。さらに技術者の一部は、マイクロンに提訴された。
次に、マイクロンは2017年、UMCとJHICCがDRAMに関する企業秘密を盗んだとして提訴している。マイクロンによれば、UMCがマイクロンの技術を盗むパイプ役を務め、中国による国内半導体産業育成の支援を図ったと批判していた(Bloomberg、2018年7月4日)。