6月14日から始まったサッカーW杯2018ロシア大会は、7月15日の決勝戦でフランスがクロアチアを4対2で破って優勝し、約1カ月間続いたサッカーの祭典は終焉を告げた。
日本代表は、W杯本戦直前に監督交代劇のドタバタを演じ、下馬評は極めて低かったものの、「勝ち点、勝数、得失点差、得点数で並んだセネガルよりイエローカードが2枚少ない」という紙一重の差で決勝トーナメントに進出した。
そして、優勝候補の一角と言われていたベルギーに対して、後半2点を取ってリードし、「一時はベスト8進出か!」と心躍ったが、その後、同点に追いつかれ、ロスタイムにベルギーの高速カウンターにやられて逆転負けを喫し、頭を抱えた。
筆者の専門は半導体や電機産業であり、サッカーなどスポーツの分野は素人であるが、出身が静岡県立清水東高校というサッカー名門校であることから、サッカーを観戦するのは大好きだ。特に、国の威信をかけて本気モードで相手を削りに行くW杯は格別で、日本戦だけでなく、ブラジルやスペインなどの強豪国の試合は可能な限りライブで見た。そして決勝トーナメントでは、「これぞ自営業者の特権」とばかり、毎晩夜更かしをして、全試合をライブで見た。
W杯終了後、サッカージャーナリストたちが、今回のロシア大会をどう総括しているか、また1次予選を突破してベスト16に進んだ日本をどう評価しているかに興味を持ち、『サッカーダイジェスト』を3冊、『月刊フットボリスタ』を2冊、『アエラ増刊号-サムライブルーの奇跡-』を1冊、『スポーツグラフィック・Number』を3冊、合計9冊(総額6850円)を購入して読んでみた。
しかし、これら雑誌の評論には、正直言ってがっかりした。その理由は2つある。
第1に、西野ジャパンの戦果を大成功と論じるジャーナリストが多かったこと。
第2に、定性的でアナログな評論が多く、数値データを用いた定量的な分析を行っているジャーナリストがほとんどいないこと。
何度も言うが、筆者はサッカージャーナリストではない。しかし、西野監督の采配のケーススタデイは、企業経営に大いに参考になる。その上、ビッグデータの時代には、AI等を使ったデータ解析が欠かせない。これらは、筆者の守備範囲の話になる。