躍進に沸いたサッカー日本代表。その中で、「悔しさ」を胸にベルギーリーグ、シント・トロイデンへ移籍したのが遠藤航(えんどう・わたる)だった。前編ではロシアワールドカップで見たキャプテン長谷部誠のすごさ、本田圭佑の言葉を振り返った遠藤が、電撃といえた今回の移籍とそこにある強い思いを語る。
【前編】「ベンチから見たW杯、遠藤航が感じた『分岐点』とは」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53700
湘南ベルマーレ、浦和レッズとそのほとんどの時間を「センターバック」として出場してきた遠藤。しかし五輪代表、A代表では慣れない一つ前のポジション「ボランチ」の役割を任されてきた。「ボランチ」経験がほとんどないことに葛藤をした日々もあった。
ただ今回の移籍で遠藤ははっきりと口にした。
「ボランチで勝負がしたいです」
その心の内側にあるものとは――?
結果で移籍を正解にする
――ベルギーリーグ、シント・トロイデンへの移籍が決まりました。1週間前、植田直通選手も同じくベルギーリーグのセルクル・ブルージュKSVへ移籍。これで久保裕也選手(ヘント)、豊川雄太選手(オイペン)、そしてチームメイトになる関根貴大、富安健洋両選手などベルギーリーグにはいずれも同世代でリオデジャネイロ・オリンピック予選などでもともにプレーした選手が集結することになりました。
ずいぶんベルギーに集まりましたね。もちろん、偶然ですけど。
――どなたかと連絡を取って情報収集をされたりはしましたか。
浦和レッズでも一緒にプレーしていてチームメイトになる関根には少し話を聞きました。とりあえず練習はめちゃくちゃハードだ、って言っていましたね。ただ、僕の移籍を全然信じていなくて、「絶対に来ないですよねぇ」ってそればっかり。移籍が発表された後ですら「まだ来るとは信じてないです」って(笑)。
――日本人選手で同世代がいるのは心強いのでは?
入口としてはそういう面もありますよね。ただ、今回のロシアワールドカップで、海外でプレーする代表の選手たちが口々に言っていたのは、「日本人選手とはあまり一緒じゃないほうがいい」ということでした。日本人選手がいると他の外国人の選手とのコミュニケーションが少なくなる、と。特に僕のようにディフェンスの選手は、コミュニケーションが重要なポジションなので、頼りきらないようにしたいと思います。フォワードの選手とかはまた違うと思うんですけどね。
――結局は結果ですね。
結局は、そうです。結果を出せば正解と言われる。だから正解にするしかない。
――ご自身がオファーを聞いたのはいつでしたか。
ワールドカップが終わってから1週間後……くらいですね。(浦和の)強化部長に呼ばれて「シント・トロイデンからオファーが来ている」と伝えられました。