日本人にとってドイツ・ブンデスリーガに次いで馴染みの深いリーグになりそうなのがベルギーリーグ(ジュピラー・プロ・リーグ)だ。今夏の移籍で7人の選手が所属することになる。ただ、そのリーグについてはあまり知られていない。ヨーロッパサッカーの取材を続け、ベルギーリーグへの造詣が深いジャーナリスト・中田徹氏が、ベルギーリーグのレベルやシステムについて解説する。(JBpress)
レベルを一気に引き上げたプレーオフ制度
ベルギーリーグに日本人が続々と集まっている。今季、ベルギーリーグでプレーする日本人選手は7人。久保裕也(ヘント)、森岡亮太(アンデルレヒト)、豊川雄太(オイペン)、冨安健洋(STVV)に加え、今季は植田直通(セルクル・ブルージュ)、遠藤航、関根貴大(共にSTVV)がベルギーリーグ挑戦を決めた。また、DMM.com社はSTVVを買収し、クラブ運営に乗り出している。
欧州サッカーの世界ではスペイン、イングランド、イタリア、ドイツ、フランスが「五大リーグ」を形成し「ビッグリーグ」と呼ばれている。UEFA(欧州サッカー連盟)のリーグランキングによると、ベルギーリーグは9位。つまり「欧州の中堅リーグ」と言えるだろう。
このベルギーリーグの特色がプレーオフ制度だ。以前は18チームによるオーソドックスなリーグ戦形式だったベルギーリーグだが、放映権料のアップとリーグのレベルアップを図って2009−10シーズンからプレーオフ制度を採用した。
隣国オランダリーグと比べると、その効果は一目瞭然。2009−10シーズン、オランダリーグのUEFAランキングは8位。一方、ベルギーリーグは14位だった。それが今や、ベルギーリーグが9位で、オランダリーグが14位と両者の立場がすっかり入れ替わってしまった。