6月14日に開幕した2018年FIFAワールドカップ・ロシア大会。日本代表チームが決勝トーナメントに進出し、事前予想を覆す活躍を見せる一方で、3大会連続の優勝を狙っていたドイツは、なんと予選リーグで敗退した。ワールドカップはオリンピックと同様、魔物が住んでいると言うべきか。人生と同じで、サッカーでは何が起こるか分からない。
ワールドカップでの勝敗は、代表チームを送り込んだ国民への影響も小さくない。勝てば熱狂、負ければ意気消沈。決勝トーナメント出場を逃したドイツの惨状は、どうやら最近のドイツ政治の迷走ぶりとは無縁ではないような印象も受ける
いや、負ければ意気消沈だけでは済まない国もある。日本戦で試合開始後3分でレッドカード退場を招いたコロンビア選手には殺害予告もされているので心配だ。かつてワールドカップでの敗戦が原因で、コロンビア帰国後に射殺された選手がいるからだ。
欧州に取り残されたロシアの「飛び地」
さて、先週の6月28日で予選リーグは終了し、6月30日からは決勝トーナメントが始まっている。決勝トーナメントで使用される会場は、ファイナルとセミファイナルで使用されるモスクワ、3位決定戦とセミファイナルで使用されるサンクトペテルブルクのほか、ニジニ・ノヴゴロド、カザン、ソチ、サマーラ、ロストフ・ナ・ドヌの7都市である。
前回のコラムでは、日本代表チームが戦ったサランスクとエカテリンブルク、ヴォルゴグラードを取り上げたが、この3都市は予選リーグのみの使用である。じつは予選リーグでのみ使用されたスタジアムのある都市はもう1つある。それはカリーニングラードだ。
6月16日にクロアチア対ナイジェリア戦、6月22日にセルビア対スイス、6月25日にスペイン対モロッコ、6月28日にイングランド対ベルギーの4試合が行われたが、決勝トーナメントでは使用されない。