苦笑と同情しかない北朝鮮「美女応援団」
平昌五輪が多くの感動をもたらして閉会した。開会当初は、北朝鮮の金正恩の妹、金与正の動向や「美女応援団」、三池淵(サムジヨン)管弦楽団のパフォーマンスにマスコミが注目し、日本のテレビ局なども、まるで平昌五輪のメインが金与正や「美女応援団」の動向であるかのような報道を繰り広げていて、苦々しい思いで見ていた。
北朝鮮の“微笑み外交”こそ「今回の五輪の金メダルだ」などという批評も目にした。本当にそうだろうか。競技の進行をまったく無視した応援風景は、競技の邪魔にはなっても盛り上げることにはつながらなかった。その一糸乱れぬ応援スタイルは、北朝鮮が自由や民主主義とは無縁の体制であることを印象づけただけである。また、垢抜けない応援の仕方には、苦笑、嘲笑、同情はあったとしても、憧れるようなものは何もなかった。
競技が佳境に入るや否や、美女応援団の動向など関心の埒外のものとなった。当然のことである。オリンピックの真髄はちんけな応援風景などではなく、血の滲む鍛錬と練習に励み、努力と研鑽を積んできた選手の美しい肉体による、懸命の戦いにこそあるからだ。