見込み客に対してはステータス管理をするようになりました。以前は、お墓に関するセミナーのご案内を見込み客全員に郵送するなど、フォローにコストがかっていました。現在はデータベースを基に、お客様のステータスに合わせた適切な情報提供をしています。

 また、受注率の向上に大きく寄与しているのが、お墓の写真のデータベースです。お客さまにどんなお墓がいいですかと聞いても、具体的に答えられない方が多い。お墓の種類やデザインに詳しい方はめったにいらっしゃいませんから。そこで、とりあえずこんなのはいかがですかと、実際のお墓の例を写真でお見せするのです。

 お墓の写真は、当社で建てたものを中心に3万点ほどデータベース化しています。写真をお見せすると、縦型じゃなくて横型の方がいいかなとか、色は黒より白がいいなとか、いろいろとご意見が出てきます。そこで、ちょっとデザインが違うものを見せたり、CGで加工したりしながら、最終的にどうするか詰めていきます。そうやって具体的なイメージを持っていただくことが受注につながり、お墓を経てたあとも満足していただけるようになります。

墓石データベースの画面。約3万点のデータを格納している

墓石販売ビジネスから“供養業”へ

 石材市場が今後大きく伸びることはないでしょう。もちろん墓石の販売は続けていきますが、売上を伸ばしていくためには、墓石だけやっていると厳しい。時代のニーズに合った新しい商品やサービスを提供していく必要があります。

 たとえば最近、継承しなくていいお墓を求める方が増えています。永代供養といわれるジャンルですね。一代限りの夫婦墓、パートナー墓というのもあります。これからは、そうした多様なニーズに応えていかなければなりません。

 また、遺骨を今のお墓とは違うところに移すので“墓じまい”したいというお問い合わせも毎月のようにいただきます。娘さんが東京に納骨堂を買ったから、遺骨を移して今のお墓を片づけたいとか、毎月のように相談があります。これからは、そうした際に、改葬の手続きやお寺とのやり取りをお手伝いさせていただくなど、“供養業”のような形になっていくのだと思っています。