顧客管理システムを作った“切実”な理由
2011年に社長になって会社を継ぎました。ITを活用するようになったのは、社長になる前からです。大学を出て東京でサラリーマンをしていたのですが、2004年に茨城に戻って仕事を手伝うようになりました。そのときにまず顧客管理システムを作りました。オリジナルのシステムで名前を「石平(いしへい)くん」といいます。
東京からこちらに戻って仕事をするようになったとき、お客様からの電話を受けるのが苦手だったんです。というのも、私の声が父親(先代社長)と一緒なんですよ。だから私が電話に出ると相手が父親と間違えて、「〇〇だけど。あれ頼むね」と言ってすぐ切っちゃったりするんですね。父親に「〇〇さんっていう人から『あれ頼むね』って電話がかかってきたけど、何のことだか分かる?」って聞いても分からない。そういうことがたびたびあったので、お客様のデータベースを作ることにしました。電話を受けても誰だか分からないという状態をなくしたかったんです。
お客様の名前やお墓の状態、やり取りの記録などを自分でデータベースソフト(ファイルメーカーの「FileMaker」)に1件1件入力していきました。その後、外部のソフトハウスに手伝ってもらい、今は、お客様に関するあらゆる情報をクラウド(アマゾン・ドット・コムの「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」)上で一元管理し、いつでも、誰でも、どこからでも見られるようにしています。
石平くんのおかげで、とても効率的にお客様への対応ができるようになりました。それまでは社員の間でお客様の情報が共有されていなかったので、電話を受けた際に「確認して折り返します」というケースがよくありました。今はすぐに確認できますので、お客様とのやり取りのスピードが速くなり、結果的に受注も早くできるようになりました。
お墓には住所がない
また以前は、石工職人などの外部パートナーを現場に案内するのにとても時間がかかっていました。毎月10時間ほど費やしていたのではないでしょうか。