神宮外苑の聖徳記念絵画館

 今年(2018年、平成30年)は、明治元年(1868年)から150年にあたる。近代日本が出発してから150年、すでに近代化を完了している日本であるが、「明治150年」の今年はその意味について考えるにはふさわしい折り目の年であるといえる。

 前回のコラム(「近代日本の原点『五箇条の御誓文』が素晴らしい」)では、明治150年の近代日本の原点となった「五箇条の御誓文」を取り上げて、現在の日本国憲法にもつながる根本精神について確認した。

 啓蒙思想家で慶應義塾の創立者である福澤諭吉に、「恰(あたか)も一身にして二生(にしょう)を経(ふ)るが如く、一人にして両身あるが如し」という名文句がある。日本の国自体もまた幕末明治維新を境に、「前近代」と「近代」という劇的に異なる時代を体験したことになる。そしてその時代を体現したのが、明治天皇であった。

 今回は、明治150年の最初の約50年の歴史を振り返ることのできる「聖徳記念絵画館」について紹介したいと思う。聖徳記念絵画館は、明治天皇の一代記とその時代を重ね合わせて描かれた絵画作品を展示した記念館である。

 JR山手線の原宿駅の西側にある明治神宮と、JR中央総武線の信濃町駅の南側にある聖徳記念絵画館は距離的に離れているので、一緒に訪問する人はあまり多くはないだろう。だが、近代日本の最初の50年間を「見える化」したこの絵画館は、ぜひ一度は訪問することを薦めたい。