フィンランドの首都ヘルシンキの街並み

 前回は、第2次世界大戦時におけるフィンランド対ソ連の第1ラウンドに当たる「冬戦争」を紹介しました。今回はそれに引き続き、第2ラウンドに当たる「継続戦争」を取り上げます。あわせて、大国ソ連に対してフィンランドが展開した外交の背景とその評価について解説したいと思います。

(前回の記事)
「フィンランドの独立を守り抜いた恐るべき民兵たち」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52738

講和条約の翌年、再び戦争へ

 フィンランドは第2次大戦勃発当初の1939年11月、ソ連に因縁をつけられるような形で侵攻を受ける羽目となります。しかし戦況は、予想に反し、民兵などの活躍によってフィンランドが善戦し、ソ連を見事に撃退しました(これが前回紹介した「冬戦争」です)。

 しかし戦闘で勝利していながら、戦争継続能力に乏しかったフィンランドは、講和条約でソ連に大幅な妥協を迫られ、国土の10%に当たる領土の割譲を余儀なくされます。フィンランドはこの時の怨みを忘れず、失地回復の機会を伺うこととなります。

フィンランドの位置と現在の領土(Googleマップ)