ロシアで大統領選挙が行われ、でウラジーミル・プーチン氏の4期目登板(2024年まで)が3月18日の選挙で決まった。
投票者の76%という票を得ての勝利だから、ここで仮に数%の不正があったとしてもそれは結果に関係なく、国民のほぼ総意を得ての大統領当選と言えるだろう。
選挙運動の末期で足を延ばしたクリミア半島の140万人の居住者からプーチン氏への感謝はあっても、欧米の対ロ経済制裁の原因となったロシアによるクリミア半島占拠への抗議活動は皆無だったと新聞は伝えている。
先の平昌五輪における国家組織としてのドーピング問題。国としての参加禁止が、ロシア現政権の失政として選挙運動中に取り上げられるかと目を凝らしたが、ジョークさえなかった。
英国の暗殺未遂事件にロシア人の反応は
さらに、大統領選挙直前の3月4日、英国ソールズベリーで起こったロシア人父子の暗殺未遂事件。
ソ連時代と異なり、ロシアのメディアでも大きく報道されているが、英国のロシア犯行説をそのまま信じるロシア人はほとんどいないようだ。
西側諸国による「ロシアいじめ」に、強い大統領プーチンの下、ロシア国民は一体となって西側に対抗していかねばならないというソ連時代の精神が復活しているようにさえ見える昨今のロシアである。
このような愛国的ムードが満ち溢れているロシアにおいて、企業活動はどうなっているのか。特に海外企業の立場に変化はあるのか、今回はその様子を見てみたい。
ロシアで製造が活発化しているものとして、工作機械が挙げられる。
工作機械は、ソ連が崩壊した後の1990年代、ほとんどの国内メーカーが倒産という憂き目に遭い、その後は必要に応じて輸入機が使われる状態だった。