アマゾンの広告収入、今年は64%増の28.9億ドル

 その背景には、アマゾンや米スナップといった、下位に位置する企業の躍進があるという。

 このうち、アマゾンについて見ると、その今年の米国における推計ネット広告収入は、前年比64%増の28億9000万ドル(3070億円)。アマゾンもそうだが、上位2社以外の企業は、いずれもシェアが5%にも満たないという状況。

 だが、アマゾンは、今後も広告収入を伸ばし、シェアは今年の2.7%から2020年には4.5%に上昇するという。アマゾンは、企業別広告収入ランキングも上昇し、オース(米ベライゾン傘下の米AOLと米ヤフーの中核事業を統合した企業)と、マイクロソフトを追い抜き、3位に浮上すると、eマーケターは予測している。

アマゾンが持つ潜在能力

 アマゾンは現在、自社のeコマースサイトで、「スポンサーリンク」や「スポンサープロダクト」といった広告商品を展開している。

 これらはいずれも、利用者が入力した検索キーワードや閲覧内容に関連する、スポンサー企業の商品を検索結果ページや商品詳細ページに表示するもので、同社はスポンサーから広告料を受け取っている。

 ただ、eマーケターによると、こうしたアマゾンの広告事業は、今のところ「控えめ」。つまり、まだ本格的と言えるものにはなっていない。同社は、膨大な数の顧客と、その販売データを持つ。アマゾンは、それらを生かし、広告事業を大規模に展開する可能性があると、eマーケターは予測している。

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